PowerApps

【Power Apps入門】変数を使ってポップアップ(モーダル)を実装する方法 

この記事では、Power Appsで変数を使って、ポップアップ機能を実装する方法について解説します。

Power Appsで変数を使いこなし、プロパティの値を制御できれば、ポップアップ機能以外にも、様々な実装ができるようになるので、ぜひ参考にしてください!

この記事でわかること
  1. Power Appsでポップアップ機能を実装する基本的な考え方
  2. 変数を使ってコントロールの表示/非表示を切り替える方法
  3. ギャラリーで選択したデータの詳細を表示する方法

Youtube動画で見たい方は、こちらからどうぞ!

Power Appsでポップアップを実装する方法

実装の概要

Power Appsで実装するポップアップ機能は、例えば、アイコンやボタンをクリックしたら、画面の前面にモーダルウィンドウが表示され、×を押したら、元の表示に戻るような実装です。

ミムチ

データ削除操作時の確認ダイアログや、ギャラリーの詳細表示に使うことができますな!

このポップアップは、ポップアップ系のコントロールの「Visible」プロパティを、True/falseで、動的に切り替えることで実現できます。

具体的な実装方法としては、以下のような手順です。

ポップアップの実装手順
  1. ポップアップに使う、四角形やテキスト等のコントロールを配置し、グループ化する。
  2. グループ化したコントロールのVisibleプロパティを、変数でtrue/falseに切り替える実装をする。
パワ実

それでは、実装の手順を詳しく解説していきます!

具体的な実装手順

Power Appsで、例えば以下のようなギャラリーで、申請一覧のデータを表示しています。

1.まずはこのギャラリー内に、ポップアップを表示するためのアイコンを挿入しましょう。

挿入タブから、「情報」と検索し、情報ボタンをギャラリー内に追加します。

ミムチ

この情報ボタンをクリックしたら、ポップアップが表示されるようにしたいですな…

パワ実

そのため次に、ポップアップ用のコントロールを配置していきます。

2.以下のような、ポップアップ用のコントロールを配置していきます。

  • 画面全体に四角形(黒色・透過あり)
  • ポップアップ用の四角形(白色等)
  • ポップアップに表示するテキスト
  • ヘッダーに表示するテキスト
  • ポップアップを閉じる×ボタン

※コントロール名は、分かりやすい名前に変更しておきます。

3.「ツリービュー」で、配置したポップアップ用のコントロールを「Ctrl」キーを押しながら全て選択し、「右クリック」>「グループ」で、グループ化します。

※作成したグループも、分かりやすい名前に変更しておきます。

コントロールをグループ化しておくと、グループ全体の共通のプロパティを一括で設定できるので便利です。

4.作成したグループのVisibleプロパティを変数で、true/falseに切り替えることで、ポップアップの表示/非表示を制御します。

ひとまず、関数式(trueが入っている部分)を削除し、ポップアップを非表示にしておきます。

ポップアップのVisibleで、表示/非表示を切り替えるため、次に変数を作成していきます。

Power Appsの変数やコレクションについては、以下の記事も参考にしてください。

キャンバスアプリの作成方法#7 ~アプリ開発④~変数、コレクションとは?データベースの更新この記事では、Power Appsアプリ開発の知識として必須となる「変数」と「コレクション」について解説します。 変数やコレクションを使うと、複数レコードを一度に登録したり、ポップアップ風の実装をするなど、様々な場面で役立ちますので、是非マスターしましょう!...

5.ギャラリーの情報アイコンの「OnSelect」プロパティを以下のように編集します。

UpdateContext({locBrowseDetailPopup: true})

6.作成した変数を、ポップアップのVisibleプロパティに設定します。

locBrowseDetailPopup

7.プレビューでギャラリーの情報ボタンをクリックし、テストしてみましょう。

以下(↓)のように、ポップアップが表示されればOKです。

「変数タブ」>「コンテキスト変数」>「locBrowseDetailPopup」で、「三点リーダー(…)」>「ビューブール値」を選択し、変数に入っている値を確認できます。

ギャラリーの情報ボタンをクリックした際は、以下のように、ポップアップ用の変数にtrueの値が入っていることが確認できます。

ミムチ

ポップアップのグループの「Visible」プロパティにもこの変数が設定されているので、Visible=Trueになり、ポップアップが表示されたのですな!

8.同様の方法で、ポップアップの×ボタンの「OnSelect」プロパティにも、ポップアップ用の変数が非表示(false)になるよう実装します。

UpdateContext({locBrowseDetailPopup: false})

9.これで、テストしてみます。

情報ボタンをクリックすると、ポップアップが表示され、ポップアップの×ボタンをクリックすると、ポップアップが非表示になるように実装できていればOKです。

パワ実

これが、基本的な変数を使ったポップアップの実装方法です。

ポップアップにギャラリーの詳細を表示する方法

実装の概要

次に、ポップアップ画面に、ギャラリーで選択したデータの詳細を表示してみます。

これも、変数を使って以下の手順で実現できます。

ポップアップにギャラリーの詳細を表示するの実装手順
  1. ギャラリーでアイコンをクリックしたときに、ギャラリーで選択したデータを、別の変数に格納する。
  2. ポップアップのテキストで、格納した変数のデータを表示する。
パワ実

それでは、具体的な実装の手順を解説していきます!

具体的な実装手順

ポップアップを表示した際に、ポップアップ上にギャラリーで選択したデータの詳細情報を表示したい場合、これも変数に格納しておくと便利です。

1.情報ボタンの「OnSelect」プロパティを編集し、ギャラリーで選択したデータを格納する別の変数を追加します。

UpdateContext(
    {
        locBrowseDetailPopup: true,
        locBrowseDetailData: ThisItem
    }
)

UpdateContext関数で、複数変数を作成したい場合、第二引数以降に設定可能です。

構文:UpdateContext({変数名1: 変数名1の値, 変数名2: 変数名2の値…})

パワ実

今回は、ギャラリーで選択したデータを変数に入れたいので、値は「ThisItemと書けばOKです。

2.関数式を変更したら、情報アイコンをクリックしてみましょう。

3.実際に、設定した変数にどのようにデータが入っているかを、「変数タブ」で確認します。

変数をみると以下のように、ギャラリーで選択したレコードのデータが入っています。

変数の各列の値を取得したい場合、テキスト型のデータなら、「変数名.列名」と記載すればOKです。

例:locBrowseDetailData.RequestTitle → PCの故障

4.ポップアップで表示するテキストの「Text」プロパティを、以下のように編集してみます。

locBrowseDetailData.申請日

上記のように、申請日のデータが表示されます。他のデータも同様に表示してみましょう。

5.以下のようにデータを表示してみました。

"申請日:" & locBrowseDetailData.申請日 & Char(10) &
"申請者:" & locBrowseDetailData.申請者.DisplayName & Char(10) &
"カテゴリ:" & locBrowseDetailData.カテゴリ.Value & Char(10) &
"申請件名:" & locBrowseDetailData.申請件名 & Char(10) &
"ステータス:" & locBrowseDetailData.ステータス.Value & Char(10) &
"申請内容:" & locBrowseDetailData.申請内容 & Char(10) 

テキストに改行を入れたい場合、Char(10) と書きます。

6.テストしてみましょう。

ギャラリーで、任意のデータの情報ボタンをクリックします。

以下(↓)のように、ギャラリーで選択したデータの詳細が表示できたらOKです。

ミムチ

ポップアップで詳細データを表示する実装ができましたぞ!

まとめ

この記事では、Power Appsで変数を使って、ポップアップ機能を実装する方法について解説しました。

Power Appsで、ポップアップ(モーダル)を実装したい場合、ポップアップ用の変数で、true/falseを切り替えて、「Visible」プロパティを制御します。

ギャラリーで選択した詳細データを、ポップアップで表示したい場合は、ギャラリーのデータを、別の変数に格納して表示しましょう。

パワ実

変数を使いこなすことで、様々なアプリの実装が実現できるので、ぜひ参考にしてください!

ABOUT ME
パワ実(Microsoft MVP)
2021年からPower Platformの勉強中。 2023年にIT系・コンサルタントに転職し、仕事でPower Platformを活用したコンサルを行っています。 2025年~Microsoft MVP for Business Applications 受賞。Power Platformを使っていく中で、知りえた情報をブログ、Youtube、Xで発信しています。 2025年8月~現在は、フリーランスとして、Power Platform系ITコンサルタントとして活動中。 Power Platformに関するご相談は以下のページからお願いします! https://www.powerplatformknowledge.com/contact/

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