PowerAutomate

【PowerAutomate入門】はじめてのPowerAutomate~基本な仕組みと操作方法~

ミムチ
ミムチ
最近Power Automateを使い始めたのですが、正直全く使い方が分かりませんぞ!

パワ実
パワ実
確かに、今までプログラミング等をしたことがない非エンジニアの場合、Power Automateは少しハードルが高いと思うよ。

今回はそんな初心者向けに、Power Automateの基本的な仕組みを解説するよ!

今回はPower Automateを使い始めたばかりの人向けに、Power Automateの基本的な仕組みと、操作方法を解説します。

この記事でわかること

  1. Power Automateの基本的な仕組み
  2. 動的な値の使い方
  3. Power Automateで簡単なフローを作る操作方法

YouTube動画で見たいかたは、こちらからどうぞ!

Power Automateで何ができるのか?を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

Power Automateでできることは?Power Apps、Power BIと連携した活用事例も紹介! YouTube動画で見たいかたは、こちらからどうぞ! https://youtu.be/wyA60yvjzg4 ...

PowerAutomateの基本的な仕組み

まず、Power Automateの基本的な仕組みについて解説します。

Power Automateは、何かをトリガーにフローの実行を開始し、設定したアクションを上から順に自動実行してくれる「作業自動化ツール」です。

トリガー

  • 自動実行を開始する条件の設定で、一番上の1つしか設定できない
  • 例)Outlookメールの受信をトリガーに、Power Automateフローを開始する

アクション

  • トリガーの後に自動実行する作業の設定で、複数設定することができる
  • 上から順に実行され、最後まで実行されたら、Power Automateフローの実行が完了する
  • 例)SharePointやOneDriveにファイルを格納、Teamsへの通知

これらのトリガー、アクションは、Power Automateから接続可能な色々なサービス、コネクタを選択して設定します。

コネクタは様々なものがあり、例えば、Outlook、Gmail、SharePoint、Excel等があります。

例として、Outlookで請求書のメールを受信したら、メールの内容をSharePointリストに格納し、Teamsで通知をするPower Automateフローを考えてみます。

ステップ1:トリガー

トリガーにOutlookのコネクタを使い、メールを受信したら、Power Automateフローを実行開始します。

このときトリガーの条件に、件名に請求書という文字が含まれることや、発信元のメールアドレス等を指定できます。

ステップ2:アクション1

コンテンツコンバージョンというコネクタを使い、受信したメールの本文をhtml形式からテキスト形式に変換します。

一番上のステップのトリガーで、受信したOutlookメールの件名や、メール本文の情報は「動的な値」として自動で取得されるため、最終的にはこれらの「動的な値」をSharePointリストに登録したり、Teamsに通知したりします。

トリガーやアクションで取得した情報は、動的な値として、それより下に設定するアクションで使うことができます。

メール本文はhtml形式で取得されるため、そのままSharePointリストに登録すると、headタグや、bodyタグまで表示されてしまいます。

そのためこのステップで、メール本文をテキスト形式に変換します。

ステップ3:アクション2

SharePointのコネクトを使い、SharePointリストに受信メールの情報を登録します。

SharePointリストに、メール件名と、メール本文を登録する場合を考えます。

メール件名は、トリガーで受信したOutlookメールの件名情報を取得していますので、これを動的な値として設定できます。

メール本文は、アクション1でテキスト形式に変換したメール本文の結果を、動的な値として設定します。

ステップ4:アクション3

Teamsのコネクタを使い、指定したチームのチャネルに、受信したメールの内容を通知します

このときも、「ステップ3:アクション2」と同様、トリガーやアクション1で取得したメーるの件名や、メール本文を動的な値として設定すれば、受信メールの内容をチャネルに通知することができます。

パワ実
パワ実
こんな感じの流れで、一番最初のトリガーと、それに続く複数のアクションを設定することで、Power Automateによる作業の自動化ができるよ。

ミムチ
ミムチ
何となくは分かってきましたぞ。

はやく実際のPower Automateの操作方法も教えてくだされ!

PowerAutomateの基本操作

前の章で説明したステップ1~ステップ4までの実装方法を、Power Automate画面で説明していきます。

1.Power Automateに接続し、「+作成」>「自動化したクラウドフロー」をクリックします。

2.フロー名を入力し、トリガーは「Outlook」の「新しいメールが届いたとき(V3)」を選択し、「作成」をクリックします。

3.これでOutlookメール受信したときをトリガーに、このPower Automateフローの実行が開始されます。

詳細オプションを表示すると、差出人や、件名フィルターが設定できます。

例えば「件名フィルター」に「請求書」と書いておけば、受信メールの件名に「請求書」が含まれるときのみ、フローを実行することができます。

4.「+新しいステップ」をクリックし、「thml」で検索したときに出てくる「Content Conversion」コネクタの「Htmlからテキスト」を選択します。

フローで実行するアクションは、トリガーの下に新しいステップとして追加していきます。

ここでは、トリガーで受信したメールの本文を、HTML形式からテキスト形式に変換します。

5.「コンテンツ」の入力フォームをクリックすると、ポップアップで「動的な値」の候補が出てきます。

6.「新しいメールが届いたとき」の「本文」を選択します。

パワ実
パワ実
この動的な値は、トリガーで設定したOutlookコネクタの「新しいメールが届いたとき」のステップで、受信メールの件名や、本文等の情報が自動的に取得され、その後のアクションで使うことができるようになっているんだよ。

各ステップのトリガーやアクションで実行した結果、取得された情報は、Power Automateが自動的に保存してくれ、後のステップのアクションで「動的な値」として、設定できる情報の候補を表示してくれます。

自分でプログラムを書くときは、何のデータを保存するか、どのデータを指定するかは、すべて自分で書く必要があります。

Power Automateはローコード プラットフォームなので、これらのデータを自動で保存し、設定するときも、使うことのできるデータ候補を、「動的な値」として表示してくれるのです。

パワ実
パワ実
Power Automateが自動で保存してくれる動的な値の他にも、自分で変数を設定することもできるよ。

変数の設定については、また別の記事で紹介します!

7.「+新しいステップ」をクリックし、「SharePointコネクタ」の「項目の作成」アクションを選びます。

「項目の作成」というのは、SharePointリストに、新しく一つのレコードを登録するアクションです。

今回、メール情報を確認するSharePointリストを、あらかじめ以下のように作成しておきました。

SharePointリストの作成方法について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

【PowerApps入門】キャンバスアプリの作成方法#3~データベース作成~ SharePointリストの作成方法 この記事では、SharePointリストでデータベースを作成する方法を解説します。 YouTube動画で見たいかたは、...

8.項目の作成、SharePointサイトのアドレスリスト名をドロップダウンで選択すると、自動的にリストの列名が表示されるので、追加する列のデータをそれぞれ指定します。

Title列

  • 「動的な値」で「新しいメールが届いた時」の「件名」を設定

Contents列

  • 「HTMLからテキスト」に変換した結果の「プレーンテキストコンテンツ」を指定

9.「+新しいステップ」をクリックし、「Teams」コネクタの「チャットまたはチャネルでメッセージを投稿する」アクションを選びます。

10.投稿者は、Power Automateフローボット、投稿先はチャネルを選択、チーム名、チャネル名もドロップダウンで選択し、最後に投稿するメッセージを入力します。

例えば以下のように、件名、本文を、メッセージで投稿するようにします。

件名と本文の設定は、8.でSharePointリストの「項目の作成」で設定した方法と同様です。

11.特定のユーザーへのメンションをする場合、コードビューのアイコンをクリックし、自分でHTMLコードを書いて設定します。

一番上に<at></at>で囲い、ユーザープリンシパルネーム(組織で使っているメールアドレス)を入力します。

12.これでフローが完成したので、保存してテストをしてみます。

13.Outlookで件名に「請求書」と名前がついたメールが届くと、Teamsに通知が来ます。

14.開いてみると、メールの件名、本文がちゃんと表示されています。

15.SharePointリストを見ると、今受信したメールの情報が登録されていました。

また、Power Automateの実行履歴から、それぞれのフローの実行結果を詳しく見ることもできます。

各フローの実行結果を開くと、各ステップでどういった情報が入力され、出力されたか等の結果を詳しく見ることができるので、エラーが起きた際のデバッグに便利です。

パワ実
パワ実
このような感じでPower Automateのフローを実装していくことができるよ!

ミムチ
ミムチ
正直まだまだ難しいですが、これくらいなら真似して実装できる気がしてきましたぞ!

主なコネクタの紹介

Power Automateでよく使う主なコネクタをいくつか紹介します。

例えばメール関連のコネクタとして、GmailやOutlook等のコネクタはよく使います。

(例)メール受信をトリガーに設定したり、メールを自動で送信したりするアクション

Office365関連のコネクタとして、OneDrive、SharePoint、Excel Online、Forms、Teams等のコネクタもよく使います。

(例)OneDriveにドキュメントを格納したり、Excelに行を追加する等のアクション

そのほかにも色々なコネクタがありますので、どんなことができるかについては、本やインターネットで調べてみるとよいと思います。

PowerAutomateでできる基本的な操作を知りたい場合は、以下の本がおススメです。(税込み2,750円)

PowerAutomateの基本の処理や、データ処理のほか、Excel、スプレッドシート、Outlook、Gmail等色々なコネクタの使い方が簡単に解説されています。

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パワ実
パワ実
「条件」とか「Apply to each」等のコントロール系のアクションもよく使いますが、これはまた別の記事で紹介します!

【PowerAutomate入門】Apply to eachとは?~アレイ(配列)を1つずつ処理する方法~ この記事では、Power Automateの「コントロール」アクションの一つ「Apply to each」の使い方を解説します。...

最後に

本日はPower Automateの基本的な仕組みと、操作方法を解説しました。

Power Automateは、メールやOffice365サービス等、様々なWebサービスと連携し、作業を自動化することができます。

ただし、SQLサーバーや、Azureサービスの一部等は、プレミアムコネクタとなり、有料の追加ライセンスが必要なので注意してください。

Office365 E3ライセンス等を持っていれば、Power Automateもライセンスに含まれていると思いますので、是非、身近な作業の自動化に使ってみてください!

ABOUT ME
パワ実
DX推進担当(IT部門) 2021年からPower Platform(Power BI、Power Apps、Power Automate)を勉強中。 Power Platformを使っていく中で、知りえた情報を発信している。 Youtube、Twitterでの情報発信もしています!