PowerBI

【Power BI入門】スライサーとは?色々なデザイン、ビジュアルとの連動制御方法も解説!

ミムチ
ミムチ
Power BIレポートで分析をするとき、特定のカテゴリー等で絞ったりしたいのですが、どのようにすればいいのですかな?

パワ実
パワ実
Power BIで表示するレポートにフィルター処理をかけるには、①ビジュアルのデータを選択する、②フィルターを使う、③スライサーを使うの3つがあるよ!

Power BIでは、ビジュアルで特定のデータを選択すると、他のビジュアルにも選択したデータで動的にフィルターがかかり、データ分析にとても便利です。

この記事では、Power BIの「スライサー」と「フィルター」の機能と、使い方について解説します。

この記事でわかること

  1. スライサーとフィルターの違いと、使い方
  2. スライサーの設定変更や、ページ間での連動方法
  3. ビジュアル間の相互作用の設定方法

Youtube動画で見たい方は、こちらからどうぞ!

Power BIのスライサー、フィルターとは?

スライサーとは?

スライサーとは、表示するレポートに対してフィルター処理をかけられるビジュアルです。

例えばレポートを、日付やカテゴリーで絞りたいときなどに、スライサーが便利です。

フィルターとスライサーの違い

表示するレポートに対して、フィルター処理をかけるには、スライサーか、フィルター機能を使う必要があります

スライサーとフィルターの違いを簡単に説明します。

スライサーとフィルターの違い

スライサー

  • ビジュアルの一つ
  • レポート閲覧者が簡単に操作できる

フィルター

  • レポート作成者が設定できる
  • 複雑なフィルター設定ができる

大きな違いは、スライサーはビジュアルの一つであり、レポート閲覧者等がスライサーを使って自由にフィルターすることができます。

一方フィルターは、レポート作成者しか設定できませんが、スライサーよりも複雑なフィルター設定も可能です。

Power BIレポートを他の人と共有した際、レポートの閲覧者が、自分自身で日付やカテゴリーなどを絞りながらグラフを動かせるようにしたい場合、スライサーが便利です。

一方でレポートの閲覧者が、あまり触らないでよい条件設定をしたい場合(例えばあるページやビジュアルに常に今日のデータのみ表示したい場合等)は、 画面右のフィルター機能使うと良いと思います。

スライサー、フィルターの使い方

それではPower BIデスクトップで、スライサーとフィルターを使ってみましょう!

スライサーの使い方

サンプルデータとして、簡単な2つのテーブルデータを用意しました。

SalesListは、日付ごとの商品の売上数を記録したテーブルになります。

ProductListは、商品ごとの原価や売価等の情報を持つテーブルになります。

これら2つのテーブルを読込み、商品CD列でリレーションシップした後、簡単なレポートを作成しました。

Power BIの基本操作については、以下の記事も参考にしてください。

【初心者向け】Power BI Desktopの基本的な使い方「5ステップ」~神エクセルも簡単加工!~ YouTube動画で見たいかたは、こちらからどうぞ! https://youtu.be/tFrjr3IiIlM ...

1.「視覚化」から「スライサー」を選び、フィールドに「ProductList」の「カテゴリー」を入れます。

これでスライサーが出来ました!

2.もう一つスライサーを作り、フィールドに「SalesList」の「売上日」を入れます。

3.例えば「カテゴリー」の「肉類」を選択すると、他のビジュアルに表示するデータを、肉類に絞ることができます。

スライサーの設定変更

1.スライサーの設定を変える時は、スライサーを選択した状態で、「ビジュアルの書式設定」をクリックします。

2.ビジュアル>スライサーの設定>オプションから、「スタイル」を変更することができます。

2.例えば日付のスライサーは、「パーティカルリスト」や「ドロップダウン」でも表示することができます。

3.相対日付を選ぶと、最近の1ヶ月間、1日間等の指定もできます。

ミムチ
ミムチ
このページのレポートを、最新の1ヶ月間、1年間などで切り替えながら見たい時に便利ですな。

4.そのほかのスタイルでは、「ドロップダウン」形式や、

「タイル」形式等にもできます。

5.「選択項目」でCtrlキーで複数選択をできるようにしたり、「すべて選択」オプションを追加したりもできます。

「タイル」形式の表示は、リスポンシブデザインのため、スライサーのサイズに応じてタイルの大きさも変わります。

  • リスポンシブデザインは、PCやタブレット、スマホなど、画面サイズに応じて変わるデザインのことです。
  • 見た目はボタンのようになっていて、ユーザーが選択しやすいスタイルです。

フィルターの使い方

フィルターを使うと、スライサーでできない複雑な条件設定をすることができます。

1.フィルターはPower BI画面右側の「フィルター」を展開すると設定できます。

※フィルターの設定は、「ビジュアルごと」「ページごと」「全てのページに対して」可能です。

2.例えば「売上数上位3つのカテゴリー」を表示したい場合、「カテゴリー」の「上位N」フィルターで、「上3」の「売上数の合計」でフィルターできます。

同様に「利益額が上位5つの商品」でフィルターをかけることもできます。

パワ実
パワ実
このような設定は、スライサーではできません。

またレポート閲覧者全員にデフォルトで設定したいフィルターがある場合は、このフィルター設定を使いましょう。

ビジュアル間の相互作用の設定

スライサーやフィルターを使わなくても、ビジュアルの特定のデータ等を選択すると、他のビジュアルにも動的にフィルターがかかります。

例えば以下のレポートで、「カテゴリーごとの売上数と利益率」のグラフの「肉類」を選択してみます。

すると、カテゴリーの「肉類」にフォーカスが当たり、他のグラフや、表、カード等のビジュアルに表示されるデータも、「肉類」のみのデータに絞り込まれます。

1.このビジュアル間の相互作用の設定を変えるには、ビジュアルを選択し、書式タブの相互作用を編集をクリックします。

2.すると各ビジュアルの端に小さいアイコンが出てきます。

これらのアイコンで、選択しているビジュアルのデータを絞ったときに、どのような相互作用を与えるかを設定します。

相互作用の種類

  1. フィルター:選択したデータでフィルターをかける
  2. 強調:選択したデータを強調表示する
  3. なし:データを選択しても、フィルターや強調表示をしない

たとえば「強調」のアイコンを選択すると、右のグラフで「肉類」を選んだ際、「強調」設定にしたグラフでは、「肉類」が強調(濃く)表示されます。

パワ実
パワ実
このような相互作業をかけたくないグラフがある場合は、「なし」を選択しましょう!

3.設定が終わったらもう一度「書式」>「相互作用を編集」を選択し、設定モードを解除します。

このように各ビジュアル間の相互作業の設定変更ができました。

ページ間でのスライサーの連動方法

複数ページで同じスライサーを使いたい場合、ページ間でスライサーを連動させる設定も可能です。

今回は試しに、別のページで以下のようなレポートを作成してみました。

最初のページにある「カテゴリー」のスライサーで条件を絞った時に、このページのレポートにも連動して欲しい場合があると思います。

1.その場合は「表示」>「スライサーの同期」を選択し、設定します。

2.同期したい「スライサー」のビジュアルを選択し、各ページへの動機設定をします。

右側の「目のマーク」が表示するページの設定で、左側の「同期マーク」がスライサーを連動させるかの設定になります。

今回は、2つのページで両方ともチェックを入れます。

3.設定を終えたら、再度「表示」>「スライサーの同期」を選択し、設定を完了します。

4.新しく作成したページで、試しにカテゴリーのスライサーで「果物」を選択します。

5.すると最初のページでもカテゴリーのスライサーで「果物」が選択され、そのほかのビジュアルも「果物」でフィルターがかかっています。

パワ実
パワ実
このようにスライサーは、色々デザインを変えたり、ページ間の連動制御もできるので非常に便利です。

是非皆さんも使ってみてください!

最後に

この記事では、Power BIのスライサー、フィルターの使い方について解説しました。

表示するレポートに対して、フィルター処理をかけるには、スライサーか、フィルター機能を使う必要があります。

スライサーとフィルターの大きな違いは、スライサーはビジュアルの一つであり、レポート閲覧者等がスライサーを使って自由にフィルターすることができます。

また、ビジュアル間の相互作用の設定方法や、ページ間のスライサーの連動の設定方法についても紹介しました。

パワ実
パワ実
スライサーは、見た目のデザインや設定等も色々といじれ、ユーザーがPower BIレポートで深堀した分析を進めていく上でも非常に便利なので、是非みなさんも使ってみてください!

ABOUT ME
パワ実
DX推進担当(IT部門) 2021年からPower Platform(Power BI、Power Apps、Power Automate)を勉強中。 Power Platformを使っていく中で、知りえた情報を発信している。 Youtube、Twitterでの情報発信もしています!

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